論文のご紹介
6種複合免疫療法に用いる免疫細胞の抗腫瘍効果に関する研究結果が論文に掲載されました。
この研究は当社と研究機関の研究員により共同で行われました。
- 掲載情報:Scientific Reports. 2023 Apr 26;13(1):6803. doi: 10.1038/s41598-023-33987-2.
- 論文タイトル:Expansion of mixed immune cells using CD3/CD161 co‑stimulation for the treatment of cancer
- リンク:https://www.nature.com/articles/s41598-023-33987-2
※共同研究機関での6種複合免疫療法の実施はありません。
免疫細胞が発見したがん細胞に攻撃物質を放出
下の画像は活性化した免疫細胞が、がん細胞を見つけ出した様子です。左側の矢印の先には免疫細胞があり、グランザイムB(赤色)という攻撃物質を出しています。
活性化した免疫細胞が攻撃物質を放ち、がん細胞(青色)と闘っていることがわかります。
免疫細胞同士の連携により、攻撃力が増強
免疫細胞には、命令を出す細胞や周りをサポートする細胞、がんを攻撃する細胞などさまざまな役割の細胞があり、がん細胞に対する攻撃力はそれぞれ違います。
役割の異なる免疫細胞「6種類」と攻撃力の高い免疫細胞「1種類」を、がん細胞と闘わせる実験をしました。すると、より多くのがん細胞を破壊できたのは役割の異なる免疫細胞「6種類」でした。
この結果から、免疫細胞はチームで力を合わせることで攻撃力が増すことが立証されました。
6種類すべての免疫細胞の増殖を確認
6種複合免疫療法では、患者さまご本人から取り出した1〜2千万個の免疫細胞を活性化させ、約3週間の培養により20〜50億個に増やし点滴で投与します。
複数の免疫細胞を1種類ずつ培養すると、個別に採血や時間、費用などが必要となります。しかし、複数の細胞をまとめて培養する方法は難しく、高い技術が必要です。
6種複合免疫療法では特許技術※を開発し、1度の培養で6種類すべての免疫細胞を増やし患者さまのもとへご提供することを可能にしています。
※日本:2012年3月23日取得(特許第4953403号)/韓国:2013年8月16日取得(特許第10-1299299号)